A班の英語の点数と分散の求め方
A班5名の英語の点数が85点、92点、79点、82点、87点だったとします。
(85 + 92 + 79 + 82 + 87) ÷ 5 = 85点 と計算して平均点を求めるのは面倒だから、仮平均を 80点 にして
80点 + (5 + 12 – 1 + 2 + 7) ÷ 5 = 80 + 5 = 85点 と暗算でやっている人は多いでしょう。
では、分散を求める時はどうでしょうか?
分散の求め方
① 【平均との差(偏差)】の二乗の平均をとるという普通のやり方
(0 + 49 + 36 + 9 + 4) ÷ 5 = 19.6
② 二乗の平均 ― 平均の二乗を利用する方法
(852 + 922 + 792 + 822 + 872) ÷ 5 = 7244.6
852 =7225
7244.6 – 7225 = 19.6
この場合、①のやり方でスムーズに解けますね。②は逆に大変になってしまうことがわかります。
B班の数学の点数と分散の求め方
B班5名の数学の点数が5点、9点、7点、10点、4点だったとします。
この時、平均点は7点です。
分散の求め方は、①でも②でもどちらでも問題なく求められます。
① 【平均との差(偏差)】の二乗の平均をとる方法
(4 + 4 + 0 + 9 + 9) ÷ 5 = 5.2
② 二乗の平均 ― 平均の二乗を利用する方法
(52 + 92 + 72 + 102 + 42) ÷ 5 = 54.2
54.2 – 49 = 5.2
このように、B班の場合はどちらの方法でも分散が同じになり、計算は簡単に終わります。
仮平均を利用した分散の計算方法
さて、次にあるクラスの6人の数学のテストの点数が以下の通りだったとします。
123点、132点、119点、125点、130点、128点
このデータの分散を求める方法を考えてみましょう。まともに計算すると、①でも②でも大変になってしまいます。
そこで、仮平均を 126点 にして計算してみましょう。
以下は、四捨五入して小数第2位までで計算しています。
1. 仮平均との差を求める
まず、仮平均 126点 として、各データの偏差を求めます。
偏差は次のようになります:
-3, 6, -7, -1, 4, 2
平均点を出すとすると、126+( −3+6−7−1+4+2) ÷ 6=126.17
※ あとで言う 平均 – 仮平均とは 上の太字の式のことになります
2. 偏差の2乗の平均を求める
次に、偏差の2乗を求めてその平均を計算します。
(9 + 36 + 49 + 1 + 16 + 4) ÷ 6 = 19.17
3. 偏差の2乗の平均から (平均 – 仮平均)² を引く
最後に、計算した偏差の2乗の平均 19.17 から
(126.17 – 126)² を引きます。
0.17² = 0.03
したがって、19.17−0.03=19.14
最終結果
このクラスの分散は 19.14 です。
このように、仮平均をうまく使うことで、計算を簡単にすることができます。特にデータが多くなるほど、仮平均を使う方法が効果的に働きます。