森井翔太朗選手は、2025年春、MLBのオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結んだ。大学進学や日本のプロ野球といった一般的な進路を選ばず、いきなり海を渡るという決断は、誰にでもできることではない。それでも彼は、子どものころから抱いてきた夢――「メジャーリーガーになること」を、ただひたすらに追い求めた。その結果、マイナー契約としては異例ともいえる2億4千万という契約を勝ち取り、現在はSingle-Aという若き才能が競い合う舞台で着実に存在感を示している。
進学校という環境に身を置きながら、学業と野球を両立させ、自らを律して地道な努力を続けてきた森井選手。高校時代から取り組んできた二刀流というスタイルも、今なお育成の柱として継続されている。その姿は、ただの“挑戦”という言葉では語りきれない、強い覚悟と情熱に満ちている。
高校通算140本塁打の佐々木鱗太郎選手は、大谷翔平選手と同じ花巻東高校を卒業後の2024年、アメリカの名門・スタンフォード大学に進学。学問と野球の両立という高いハードルに挑みながら、メジャーリーグを目指すという道を歩んでいる。彼の選択もまた、日本ではまだ珍しい進路だが、その確かな実力と揺るがぬ意志は、確かに未来への希望を感じさせてくれる。
二人は、それぞれ異なる道を選びながらも、共通の夢――「メジャーリーガーになること」に向かって、一歩一歩進んでいる。日本という枠にとらわれることなく、世界の舞台で自分自身を試そうとするその姿は、すでに多くの人々に勇気と刺激を与えているのではないだろうか。
それでなくても少子化で若者の数が減っている日本の中年としては、優秀な若者がどんどん海外に流出してしまうのは、正直なところ少し寂しい気持ちもあるのだが(笑)、それでも――勇気ある彼らの挑戦には、心から敬意をもって応援していきたい。
数年後、二刀流として“第二の大谷”と称される森井翔太朗選手。そして、メジャーの歴史を塗り替える本塁打王・佐々木鱗太郎選手――そんな未来がやって来るかもしれない。
誰かが言っていた。「挑戦しないで悔やむよりも、挑戦して失敗する方が何万倍もいい」と。
