序章:「野茂」から始まった日本人メジャーの歴史
入団年から4年連続最多勝を獲得した、野茂英雄。5年目に肩を壊したこともあり、8勝しかできませんでしたが、当時1億4千万円(推定)の年棒を貰っていた野茂投手ですが、その年に所属チームとの契約が難航し、球団から提示された「任意引退」という形での退団を受け入れることになります。
これは、「自由契約」とは違い、国内の他球団への移籍ができなくなるもので、所属チームの近鉄バッファローズからすると他チームに移籍されると自分たちが困るから・・という理由であると想像できます。しかし、当時、日本のプロ野球選手がMLBへ移籍する明確な制度は存在しませんでしたが、この「任意引退」であれば海外の球団との契約には影響しないという、当時の野球協約の盲点を突き、たった200万ドルの契約金と年俸約100万ドル(当時のレートで980万円)で、アメリカのドジャースとマイナー契約を結びました。
日本のマスコミは連日「非国民!」とか「通用するわけがない!」と野茂をたたきましたが、その後のメジャーでの活躍は言うまでもなく、メジャー通算123勝は未だ日本人投手のメジャー記録です。(ダルビッシュ投手で現在110勝です)
2. 野茂が開いた道、イチローが広げた道
イチロー選手は日本のプロ野球で7年連続首位打者だったにもかかわらず、ポスティング制度で憧れのメジャーへ挑戦することになります。これは野茂選手の活躍により新たに野球界にもたらしたメジャーリーグへの道を利用したものでした。海外FA(フリーエージェント)を待たずして、当時のオリックス球団の理解もありマリナーズとの契約をします。日本球界で確固たる地位を築いたイチロー選手ですが、自分の夢を求めてメジャーにわたります。その後の活躍はご存じの通りで年間262安打というメジャー記録もたたき出しています。メジャーでの野球殿堂入りも果たしました。
3.その後、活躍した日本人選手たち
【投手】
1. 黒田 博樹(Hiroki Kuroda)
- MLB在籍年数:2008–2014(ドジャース)、2012–2014(ヤンキース)
- 通算成績:79勝79敗、防御率3.45、奪三振986、WHIP1.17
- 特徴:安定した先発投手として活躍し、ヤンキース時代にはローテーションの柱として信頼を得た。
2. 上原 浩治(Koji Uehara)
- MLB在籍年数:2009–2017(オリオールズ、レンジャーズ、レッドソックス、カブス)
- 通算成績:19勝22敗、93セーブ、防御率2.53、奪三振522、WHIP0.86
- 特徴:2013年のレッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献し、ALCS MVPを受賞。
3. 岩隈 久志(Hisashi Iwakuma)
- MLB在籍年数:2012–2017(マリナーズ)
- 通算成績:63勝39敗、防御率3.42、奪三振714、WHIP1.14
- 特徴:2013年にオールスター選出、2015年にはノーヒットノーランを達成。
4. 松坂 大輔(Daisuke Matsuzaka)
- MLB在籍年数:2007–2014(レッドソックス、メッツ)
- 通算成績:56勝43敗、防御率4.45、奪三振720、WHIP1.40
- 特徴:2007年にレッドソックスでワールドシリーズ制覇に貢献。
5. 田中 将大(Masahiro Tanaka)
- MLB在籍年数:2014–2020(ヤンキース)
- 通算成績:78勝46敗、防御率3.74、奪三振991、WHIP1.13
- 特徴:安定した先発投手として活躍し、ポストシーズンでも好成績を残した。
その他の投手(名前と在籍年数のみ):
- 長谷川 滋利(1997–2005)
- 平野 佳寿(2018–2020)
- 藪 恵壹(2004–2005)
- 岡島 秀樹(2007–2013)
- 大塚 晶則(2004–2007)
【野手】
1. イチロー(Ichiro Suzuki)
- MLB在籍年数:2001–2019(マリナーズ、ヤンキース、マーリンズ)
- 通算成績:打率.311、安打3,089、本塁打117、打点780、OPS.757
- 特徴:2001年に新人王とMVPを同時受賞し、2025年に殿堂入り 。
2. 松井 秀喜(Hideki Matsui)
- MLB在籍年数:2003–2012(ヤンキース、エンゼルス、アスレチックス、レイズ)
- 通算成績:打率.282、安打1,253、本塁打175、打点760、OPS.822
- 特徴:2009年のワールドシリーズでMVPを受賞。
その他の野手(名前と在籍年数のみ):
- 城島 健司(2006–2009)
- 松井 稼頭央(2004–2006)
- 井口 資仁(2005–2008)
- 中村 紀洋(2005–2006)
- 西岡 剛(2011–2012)
- 川崎 宗則(2012–2014)
- 新庄 剛志(2001–2003)
- 青木 宣親(2012–2017)
- 秋山 翔吾(2020–2021)
- 筒香 嘉智(2020–2022)
1. 大谷 翔平(Shohei Ohtani)
- 所属:ロサンゼルス・ドジャース
- ポジション:投手/指名打者
- 実績:2021年、2023年、2024年にMVP受賞。本塁打王2回、打点王1回
- 特徴:二刀流として投打で活躍。2025年は肘の手術からの復帰を目指し、おそらく7月以降二刀流復活か?
2. 鈴木 誠也(Seiya Suzuki)
- 所属:シカゴ・カブス
- ポジション:外野手
- 実績:2022年にMLBデビューし、安定した打撃を披露。
- 特徴:大谷が目立ちすぎて陰に隠れているが、MLBでも着実に成績を残している。2年連続20本塁打は本物。今年は打点王も?
3. 山本 由伸(Yoshinobu Yamamoto)
- 所属:ロサンゼルス・ドジャース
- ポジション:投手
- 実績:2023年オフに大型契約でドジャース入り。2024年は怪我で戦列を離れたものの、今やドジャースのエース。
- 特徴:NPBでの圧倒的な成績を引っ提げて安定感のあるピッチング。サイヤング賞に一番近いのでは?
4. 今永 昇太(Shota Imanaga)
- 所属:シカゴ・カブス
- ポジション:投手
- 実績:2023年オフにカブスと契約し、2024年シーズンは15勝。
- 特徴:いまやカブスのエース。怪我をして今は戦列を離れている
その他、菅野投手、佐々木朗希投手など
前田健太や川上憲伸、伊良部投手を忘れてる💦